諸事情から日付は『プレイ記を書いた日』になります。あしからず。
やっと、再会する事が出来た。それが、このソフトを手にした時の、正直な感想である。ある昔の日、突如我が家にやって来て、そして1日で帰ったプレイステーションに入っていたのが、PS版『タクティクスオウガ』だった。
その時は右も左もわからず時間もメモリーカードもなく、本当にオープニングを見ただけだった。しかし、幼い私の心にも「これはただのゲームじゃない」と焼き付き、十余年の後に、こうして再会する事になったのだ。
二度目の出会いは、そう遅くもなかった。ゲームではなく、漫画化されたものが、当時購読していた雑誌に掲載されていたのである。偶然の再会だが、当時の私には、その漫画があの時見たゲームであるとは気付かなかった。ゲームが原作であるという事も知らなかった。
気付かなかったにもかかわらず、私はその少年誌では珍しく重苦しいストーリーに惹きつけられた。しかし悲しいかな、小学生の身には単行本を買う資金がなかった。買えるようになったのは、新古書店というものが定着してからの話である。
その頃には、既に『あの漫画』が『あのゲーム』であり、『あのゲーム』はゲーム史上に残る名作であり、これが一番重要なのだが、かなりの品薄で、PSタイトルとしてはちょっと手が出ないくらいに価格が高騰しているという事を知っていた。
買おうか買うまいか、迷っているうちに時は過ぎ、PSPというハードが出て、FFタクティクスがリメイクされた。その時私は日記にも記している。「次はタクティクスオウガを!」この希望を持っていたのが、私だけではなかったという事なのだろう。
しかし、実際私はまた迷った。新品は高騰しているPS版とそう変わらない値段である。しばらく様子を見ようか……いくつかの偶然が重なる事を、人は神の意志と言うのだろうか。私は突発的な病に襲われ、自分が思ったより虚弱である事を、さらに虚弱になりつつある事を思い知った。そして病床に思った。こんな事を繰り返していたら、いつか死ぬ。
――死ぬ前に、タクティクスオウガだけはやりたい。
実際には相当な不摂生をするとか、運が悪いとかがない限り、死ぬような事はないだろうが。それでも、人間いつかは死ぬのである。体質とは全く関係なしに、明日車にはねられるかも知れない。後悔の種は早めに摘むべし。こうして私はタクティクスオウガを予約した。
発売日が、丁度用事があって出掛ける日とも重なっていて、受け取りやすかったというのもある。これも偶然のひとつ、という事になるだろうか。
前置きが長くなったが、そろそろ青森の片田舎からヴァレリア島に舞台を移す事としよう。
CHAPTER 1
−女より友情、それが男という生きもの−
主人公の誕生日は?と聞かれたら、プレイ開始の日付を答える事にしている。11月11日。発売日と同日というのは、初めてだ。騎士団の名前は、デフォルトのまま双竜騎士団にした。変えるかとも思ったが、デニムとヴァイスを表すのにぴったりの名なのではないだろうか。
タロットカードが一枚ずつ浮かび上がる。投げかけられる質問は、どれも答えを出すのが難しいものばかり。正義とは何かではない。己は何を正義とするのかを問われている。それは、言い換えれば、何を悪として切り捨てるのかという事だ。
港町ゴリアテ。デニムと姉カチュア、親友ヴァイスは親の敵と狙う相手を襲ったものの、同名の人違いである事が判明。懐かしい……確かこの戦闘すらクリア出来なかったはずだ。時間の問題で。後は全て漫画版と攻略本からの知識という事になるな。
祖国ゼノビアを追放され、雇い主を捜しているという聖騎士ランスロット一行を助っ人に加え、デニム達は自分達ウォルスタ人のリーダーであるロンウェー公爵を救出に向かう。
この辺りではまだ、操作出来るのはデニムだけだ。はっきり言って何もする事がない。敵を叩いても経験値が増えるわけじゃないし。後ろでノホホンとおやつでも食べながら戦闘を眺めていれば、聖騎士とヴァイスがサクサク敵を片付けてくれる。HPが減っても大丈夫だ。カチュアが適当に回復してくれる。
本番はアルモリカ城で公爵を救出してからだ。指一本動かしていなくとも、デニムは若き英雄と呼ばれてウォルスタ解放軍の一員となる。戦闘中の行動が行動だっただけに、嘘くささが三倍増。何か……すいません。草刈りしかしてなかったのに。
ここで解放軍から人員が補充される。ウォリアー、アーチャー、ルーンフェンサー、魔術師、クレリックがそれぞれ一名ずつ。デニムを含めれば出撃人数はいっぱいいっぱいだ。
しかし、ゲーマーとしての勘が『早めに回復をもう1人』と告げた。カチュアがNPCであり、確実な頼りにはならないからかも知れない。公爵から軍資金ももらったし、ここらでクレリックをもう1人雇用。忠誠高めのウォルスタ人を狙う。
どんなにパラメータが良くても、忠誠が低いと出奔の危険があるからな。アラインメントも今後デニムが選ぶ道と合わせる。クレリック(♂)のモーリスが仲間になった!
タインマウスの丘
プレイヤーが指揮を執る本番であるが、ゲストにゼノビアの有翼人カノープス、NPCとしてヴァイスとカチュアもいる。この3人に歩調を合わせればさして難しくはない。突出、単独行動は危険だ。
戦闘後、カノープスが正式に加入してくれる。忠誠も高い。遠近ともに攻撃力が高く今後の戦力の中核なので、今から使い込んでおこう。空も飛べるし。本当に万能だな。
クリザローの町
連戦か……アルモリカ城に戻れば物資を補給出来るので、そんなに悩まなくてもいいか。とりあえずやってみよう。基本的なストーリーの流れはPS版と一緒のはずなので、敵の陣容くらい確かめてから行けばいいものだが、あえてしない。面倒だから。あと、変わってるかも知れないしね!
敵はアンデッドが主体。顔が緑色な屍術師がリーダー……と思ったらヴェールを被ってるだけだった。こちら側のゲストとしてイクソシズムの使い手、プレザンス神父がいるが、イクソシズムは消費MPが多い上に、プレザンスはヒールを乱発するので滅多に使えない。カチュアも同じく。
クレリックはレベル不足でイクソシズムが使えない以上、この2人に頼るしかないのだが……まるであてにならないので、何度も仮死状態にして動きを止めるしかないだろう。2人にMP回復アイテムを使うという手もあるが、HPの減っている味方と仮死状態のアンデッド、どちらを優先するかは疑問だ。
プレザンスは自力で回復するので、意外としぶとく生き残る。多分……仲間に出来るでしょう。あー回復増やしておいて良かった。ヒールもアンデッド相手なら攻撃魔法になるし。
プレザンスを仲間に加え、……連戦だったっけ? いかん、もう記憶がない。ともかく、屍術師の罠にかかっていたウォルスタ解放軍の騎士、レオナールも救出。レオナールはゲスト扱いだが、彼の部下であるナイトとアーチャーが1人ずつ加入した。
屍術師の頭であり、ウォルスタ人を弾圧しているガルガスタン王国の執政官、ニバスを追うかどうかの選択を委ねられた。と言っても、マップ上にニバスが向かったと言われる砦が出現しているだけなので、暇が出来た時に向かえば良いらしい。敵が屍術師であり、こちらが安定してイクソシズムを使う事が出来ない以上、苦戦は必至。ここは後回しにして、アルモリカへ帰ろう。
アルモリカへ戻ると、公爵から暗黒騎士団ロスローリアンと非干渉の密約を結んでこいと命じられた。デニム達にとっては親の敵である集団と、密約を結べにいけと言われたのだ。この公爵はどこまで面の皮が厚いのか、若者が血気にはやって密約を台無しにするとは思わないのだろうか……。
デニム達に同行する(と言うか、デニム達がおまけみたいなもん)騎士レオナールへの信頼が篤いという事なのだろう。
ゴルボルザ平原
レオナールがゲスト参戦。パラメータが高く、カウンターとヒールを兼ね備えるレオナールが1人で突っ込んで敵をばしばしなぎ倒してくれる。危なくなっても自力でヒール。
こちらには打たれ弱いユニットもいるし、追いかけない方が身のためだ。敵は強いユニットをあまり狙わないので、突っ込んだレオナールと程良く戦力が分散されるだろう。堅実に敵の数を減らせばよい。
古都ライム
最初の選択肢でシスティーナを助けるかどうかを選ぶと、勝利条件が変化する。助けるを選ぶとシスティーナの死亡が敗北条件に加わる。ここまで特にレベル上げもしていない場合、システィーナを助けるのはまず無理だ。
システィーナは敵に突っ込んでいくわりに防御力が低く、あっと言う間に瀕死になる。回復役を向かわせようにも敵の前線にはドラゴンがおり、弱いユニットは優先して狙われるので、他のユニットで食い止めきれるかどうか怪しい。運良くシスティーナのもとへ辿り着いたとしても、そこは最前線。クレリックには危険すぎる。
ここは現実的に「助けたいのはやまやまだけど……」を選んだのだが、モーリスの忠誠が下がった……プレザンスがいるからいいけど。そんなに助けたいならお前助けに行けば? 一緒に袋叩きに遭うのがオチだろうけどねっ。
とにかくドラゴンが堅いので、前衛ユニットで囲み、身動き出来ないようにしておいて遠距離攻撃でリーダーを狙うのが確実。敵リーダーはヒールを使うのでしぶといが、デニムとカノープスに弓を装備させ、アーチャーも2名入れてあれば倒しきれる、はず。
大陸の国であるローディスから招聘された暗黒騎士が滞在しているフィダック城で、密約は成った。暗黒騎士ランスロットはデニム達の故郷であるゴリアテ襲撃は、誤情報に基づくものだったと謝罪。
ウェーブの黒髪で眼帯でオッサンって誰かに似てると思ったら、幻水3のゲドに似てるんだ。あっちの方が後だから、正確にはゲドがランスロット似なんだけど。この間からどうにもデジャヴると思ってたんだ。
再びアルモリカ城。今度はバルマムッサという町へ向かい、そこに収容されているウォルスタ人を武装蜂起させよとの命令。ここからレオナールと入れ替わるように、新キャラの槍娘ラヴィニスがゲスト参戦してくれる。ああ、新キャラと言えば、ヒゲの素敵な海賊親父に会えるのはいつの日であろうか……。
ボルドュー湖畔
ゲストのラヴィニスは強いが、そろそろヴァイスとカチュアがあてにならなくなってくる。後ろでふらふらしているカチュアはともかく、ヴァイスは相当に装備やスキルを優遇しない限り、さっさと敵に突っ込んでは敗退して戦場からとんずらしているはずだ。
ラヴィニスにしてもレオナールとは違い、自力回復が出来ないので、ほどほどに追いかけてサポートする必要がある。頑丈なのでヴァイスよりは持ちこたえてくれるはず。
どのマップでも共通だが、ザコだけの戦闘でない限り、リーダーを集中攻撃する事でマップのクリア自体は可能だ。その敵が落とすアイテムは手に入らなくなるが。
ゾード湿原
湖畔もだが、ぬかるんでいて進入出来ないブロックが存在する。待機出来ない場所を把握しておく事も重要。
ここでは魔獣使いガンプがグリフォンを始めとする魔獣をけしかけてくる。飛行型なので、前衛ユニットで壁を作ってもやすやすと飛び越えられてしまう。
ウィザードやクレリックは十分下げておくか、前衛ユニットをびっちり隣接させて囲むのが安全だ。密集していると範囲攻撃の格好の標的になってしまうが、術師が集中攻撃を受けるよりはまし。
グリフォンのうちのどちらか、あるいはガンプのHPをある程度減らせば、そこで戦闘終了になる。集中攻撃が出来ればいいのだが、敵の頭数が多く、術師を守るために身動きもとれないとなればそれも難しい。
何はともあれ、クレリック2名に加え、ナイトとルーンフェンサーにもヒールがあれば何とかなるだろう。
バルマムッサの町
ここではガルガスタン兵を全滅させる事になる。こちらが高台を占めているので、アーチャーの弓が面白いように当たるはず。カノープスも屋根に登らせれば、全く敵の攻撃を受けずに狙い撃ちが可能だ。前衛ユニットは、敵が登ってこられないよう道をふさぐ事に専念すれば良い。回復はそのサポート。
そして、デニムは大きな選択を迫られる。武装蜂起を拒否したバルマムッサの住人を、ガルガスタンの仕業に見せかけて虐殺するか否か。
「……わかりました。理想のため、この手を汚しましょう」
目先の小義に囚われていては、大義は成せない。私の操作するデニムは、そう答えた。漫画版のデニムがロウであり、そのルートの方が馴染みがあるというのもあるが、主な理由はぶっちゃけるとヴァイスである。カオスに行くとヴァイスがひどい目に遭うから。私はロウルートの綺麗なヴァイスが好き。ここはひとつヴァイスのため、デニムには血と泥をかぶってもらおう。
バルマムッサの町
ヴァイスは虐殺に荷担せず逃亡するが、ラヴィニスは本気になってデニムを殺しに来る。殺されてやるわけにもいかないので、こちらも本気で囲む。必殺技を使ってくるので、HPは満タンを保ち、術師は決して前に出さない、欲張らない。上手く前衛の隙間を狙えば、どいてもらわなくとも魔法が当たるポジションもある。いい立ち位置を探す事。
ラヴィニスさえ片付けてしまえば、後は烏合の衆。先程とは逆に下から攻め上がる事になるが、こちらには空を飛べるカノープスがいる。屋根を突っ切って敵の目を引きつけてもらえば、比較的安全に登る事が出来る。
にしても、新キャラがルート分岐早々に死亡って……とほほだな。まあいいけど、槍娘だから。ロウルートで仲間になる人の方が気になる人多いから、最初からロウって決めてたもんな。
カオスがベストエンドだってのは知ってるから、それも後の楽しみに取っておきたかったし。うん、それに、今回はドリームチームが組めるって話だったから、カオスでヴァイスがひどい目に遭ってても、仲間にいればちょっとは平気かなって。
「俺とお前は敵同士だ、お前は俺が殺す!」というヴァイスの台詞、カオスルートとほぼ同じなんだけど、ニュアンスが全然違う……ロウのヴァイスはやっぱりいい。
20101115,